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下り“はつかり”―鮎川哲也短編傑作選〈2〉 (創元推理文庫)
北村 薫(編集)
発売:東京創元社
Amazon.co.jp ランキング:Book で155216位
価格:¥ 987(税込み)/1,500円以上国内配送料無料(一部大型商品は除く)!
発売日:1999-03 /通常24時間以内に発送
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カスタマーレビュー
おすすめ度:
赤い密室
(2006-08-22)
北村薫が編纂した鮎川哲也の短編集第2段です。代表作『赤い密室』が収録されている一方で、本格推理ではないファンタジックな作品『地虫』『絵のない絵本』も収録されており、本格の驍将と呼ばれた彼の意外な多面性をかいま見せてくれます。なんとなく、こういうナンセンスなものを解する人にのみ、初めて論理的な本格推理が書けるような気もします。
まるで本格推理の見本集のような本作を読んでいて気づくのは、鮎川が“トリックは犯人にとってきちんとメリットのあるものでなければならない”という規則を自分に課して書いていることです。推理小説は所詮読者の為のものであって犯罪者のものではないから、面白いけれども、冷静に考えるとそんなことやっても別に犯人にメリットはないと思えるようなトリックが結構多いです。しかし、鮎川は丹念に犯人にとってのメリットと、真相が発覚した時の読者の驚愕というものを見事に両立させるよう、骨を折っていることがよくわかります。
本格直球勝負の『赤い密室』(●^o^●)
(2005-06-11)
北村薫氏編鮎川哲也の第二短編傑作選。
巻末には鮎川哲也の作品ノート、解説2名、鼎談・有栖川有栖+北村薫+山口雅也までついた豪華版である(●^o^●)。いかに鮎川哲也が重鎮かつ愛されているか解る。鮎川哲也はある意味外国作家と同じテーマに基づき自分なりのものを作り上げて挑戦したり、江戸川乱歩の依頼に基づき短期間で秀逸な短編を連続して発表したりと常に厳しい条件を突きつけられる名探偵のような立場にあったのが感じられる。しかもそれを鮎川哲也はものの見事にこなしてしまうのである。それらがこの傑作短編集である。
この第二短編傑作選では特に文体の光る『地虫』と短編ながら本格直球勝負の『赤い密室』が好みだ。(●^o^●)いずれも文体鮮やか。そこが外国翻訳ものにはない魅力だと再確認出来る。
ミステリフアンにとって「知るべき存在」の作品群
(2005-04-30)
近年に起こったミステリ・ルネッサンスとよばれる新進の作家たちの台頭の、その礎を築いたのが鮎川哲也ということになろう。
本格ミステリの潮流を遡れば、必ず鮎川の名は出てくるのだ。
逆に、現代の系譜を俯瞰するとき、そこに鮎川の存在を知って見るのと、見ないのでは、その認識の精度も変ってくる。
もちろん、ミステリフアンにとって鮎川は「知るべき存在」に違いないのである。
おすすめ度:
赤い密室
北村薫が編纂した鮎川哲也の短編集第2段です。代表作『赤い密室』が収録されている一方で、本格推理ではないファンタジックな作品『地虫』『絵のない絵本』も収録されており、本格の驍将と呼ばれた彼の意外な多面性をかいま見せてくれます。なんとなく、こういうナンセンスなものを解する人にのみ、初めて論理的な本格推理が書けるような気もします。
まるで本格推理の見本集のような本作を読んでいて気づくのは、鮎川が“トリックは犯人にとってきちんとメリットのあるものでなければならない”という規則を自分に課して書いていることです。推理小説は所詮読者の為のものであって犯罪者のものではないから、面白いけれども、冷静に考えるとそんなことやっても別に犯人にメリットはないと思えるようなトリックが結構多いです。しかし、鮎川は丹念に犯人にとってのメリットと、真相が発覚した時の読者の驚愕というものを見事に両立させるよう、骨を折っていることがよくわかります。
本格直球勝負の『赤い密室』(●^o^●)
北村薫氏編鮎川哲也の第二短編傑作選。
巻末には鮎川哲也の作品ノート、解説2名、鼎談・有栖川有栖+北村薫+山口雅也までついた豪華版である(●^o^●)。いかに鮎川哲也が重鎮かつ愛されているか解る。鮎川哲也はある意味外国作家と同じテーマに基づき自分なりのものを作り上げて挑戦したり、江戸川乱歩の依頼に基づき短期間で秀逸な短編を連続して発表したりと常に厳しい条件を突きつけられる名探偵のような立場にあったのが感じられる。しかもそれを鮎川哲也はものの見事にこなしてしまうのである。それらがこの傑作短編集である。
この第二短編傑作選では特に文体の光る『地虫』と短編ながら本格直球勝負の『赤い密室』が好みだ。(●^o^●)いずれも文体鮮やか。そこが外国翻訳ものにはない魅力だと再確認出来る。
ミステリフアンにとって「知るべき存在」の作品群
近年に起こったミステリ・ルネッサンスとよばれる新進の作家たちの台頭の、その礎を築いたのが鮎川哲也ということになろう。
本格ミステリの潮流を遡れば、必ず鮎川の名は出てくるのだ。
逆に、現代の系譜を俯瞰するとき、そこに鮎川の存在を知って見るのと、見ないのでは、その認識の精度も変ってくる。
もちろん、ミステリフアンにとって鮎川は「知るべき存在」に違いないのである。
そんな偉人鮎川哲也を知るのに、東京創元社文庫から刊行された2冊の短編集は理想的だ。
前編といえる「五つの時計」に次ぐ本作には代表作として名高い「赤い密室」「達也が嗤う」などが収録されている他、「地虫」のような異色作もあり、そして、ここに収録された全作が、現代ミステリへ脈々とエネルギーを供給する「本格の源泉」であると感じられる。
文章、文体の気高さ、無駄な虚飾を排しながらも、闇をみつめる慧眼。
そしてトリックそのものの質の高さがなんといっても素晴らしい。最近の作家であれば、こんな素晴らしいトリックをおもいついたのであれば、当然長編として仕上げるであろうアイデアを、惜しげもなく短編に降り注いでいる。
もちろん、いまとなっては時代を感じさせる部分も多いが、トリックそのものの着眼点の秀逸性は現代の読み手をも十分満足させるに違いない。
なお、末尾に収録されている鮎川に多大な影響を受けた、有栖川有栖、北村薫、山口雅也の三氏の対談も、非常に興味深いものになっている。
