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アイテム詳細
龍臥亭事件〈上〉 (光文社文庫)
島田 荘司
発売:光文社
Amazon.co.jp ランキング:Book で198964位
価格:¥ 780(税込み)/1,500円以上国内配送料無料(一部大型商品は除く)!
発売日:1999-10 /通常24時間以内に発送
島田 荘司
発売:光文社
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価格:¥ 780(税込み)/1,500円以上国内配送料無料(一部大型商品は除く)!
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カスタマーレビュー
おすすめ度:
この子誰の子。
(2008-09-09)
御手洗が石岡君の許を去り、そして犬坊里美が登場する、思えば「御手洗潔シリーズ」の分岐点となった長編作品。
序でにファンの意表を衝く人も登場しますが。
「コード多用型の館ミステリー」を今(1996年)描かなければ、という想いに突き動かされて?世に問うた作品であるそうで、
その通りケレン味溢れるトリックと、詩情ある余韻を残すプロットが炸裂する、島田荘司本格ミステリの粋が味わえる好篇であると思います。
で。
ある意味本筋以上に力が入ってる(ような気がする)のが、あの「津山三十人殺し」に関する考察と、描写。
横溝正史『八つ墓村』の下敷きとなり、松本清張『ミステリーの系譜』中の作品(「闇に駆ける猟銃」)でも描かれた、この本邦史上最大級の事件が、
『秋好英明事件』(島田荘司)を彷彿とさせる克明な筆致でもって語られます。
物語作家・島田荘司の真骨頂(多分)。
あと特攻隊とかも。
石岡君のお蔭で大長編になってしまったという声もありますが、ともあれその分(?)読み応えは約束された(筈の)逸品。
津山事件を知るテキスト
(2008-09-06)
「津山三十人殺し」についてはフィクションも含めてこれまで多くの文献で語られて来ており、本作品の事件に対する切り口自体に真新しさは見られませんが、フィクションとノンフィクションを巧みに交錯させた構成と60年前の事件と現代の事件を結ぶギミックの面白さで一気に読ませます。下巻の約半分を使って語られる津山事件の迫真のノンフィクションパートは、島田氏本人も語っているように筑波昭氏の名著「津山三十人殺し 村の秀才青年はなぜ凶行に及んだか」の強い影響下にあります。事実関係はもちろん犯人・都井睦雄の台詞回しまでが同書から引用されていますので、事件に興味を持った方は是非こちらもご覧ください。
島田壮司のミステリーとしては、御手洗シリーズの奇想と吉敷シリーズの哀愁を融合させたような作品ですが、著者側からは津山事件とその時代を分析総括した一種の近代史論的な意味合いが込められているように思います。島田氏お得意の日本人論やメッセージ性は今回影を潜めているので、純粋に津山事件を知るテキストとして興味深く読めるでしょう。
創造力の行き詰まり
(2007-02-03)
現実の犯罪に題を採った作品であり、御手洗(電報でだけ登場する)ではなく石岡が主人公を務めるという趣向がある。だが、独創性を売り物にして来た作者が、現実の事件に題を求めるという事は、自らの創造力の枯渇を意味しており、実際物語は退屈この上ない。これは、一般の作家が書けなくなった時、歴史物に逃げるのと似ている。
「龍臥亭」と言う宿屋を主な舞台に事件は起こり、元々石岡は悪霊払いという名目でここに来ているのだが、相変わらず事件の謎は偶然性に頼ったもので、呆れる他はない。主人公を石岡にしたのも、この程度の事件で御手洗を出すのはさすがに気が引けると思ったからではないか。
作者のデビュー当時の独創性とミステリに掛ける情熱を知っている者にとっては、寂しい作品である。
最後まで飽きません
(2006-06-08)
横溝正史の「八つ墓村」のモデルとなった「津山三十人殺し」の事件を島田荘司が題材にしました。この事件、近年までは一日に殺した数というのでは、戦争やテロなどは別として30人というのは世界でも類をみなくギネスブックに載るという日本の恥とも言えた事件(最近、記録が塗り替えられたみたいだけど)。島田氏が独自(?)の解釈をします。この事件の因縁を絡めた新たな殺人事件が起こる話ですが、作者は結局は当時の事件を書きたかったみたいなだけの印象をうけます。島田荘司は近年、実際にあった事件などをノンフィクションプラス新解釈といった感じで「切り裂きジャック百年の孤独」では「切り裂きジャック事件」を「ロシア幽霊軍艦事件」では「ロシア皇女アナスタシア」を「アトポス」では「ルーマニアのエリザベートバートリー」を題材にしています。その内エドゲインとかもやるのか?まあネタはいくらでもあるな。ミステリー部分は相変わらずの強引、有り得ないモード炸裂で少しお粗末ですが、本人はノンフィクション部分に重点を置いているので、まあ面白いからいいかといった感じ。このノンフィクション部分は民族学好きは必見。他作でも小市民批判、日本人批判著しい島田氏ならでは。作家は年を取ってアイデアが枯渇してきたり、老練になってくると、歴史物やノンフィクション物、性に関する物に傾きがちだが、島田氏もそういう傾向がありますね。
御手洗シリーズの最高傑作
(2004-06-19)
上巻577ページ、下巻ページ575ページと御手洗シリーズで最長編。上巻は高木彬光氏、下巻は神津恭介氏に捧げられている。
おすすめ度:
この子誰の子。
御手洗が石岡君の許を去り、そして犬坊里美が登場する、思えば「御手洗潔シリーズ」の分岐点となった長編作品。
序でにファンの意表を衝く人も登場しますが。
「コード多用型の館ミステリー」を今(1996年)描かなければ、という想いに突き動かされて?世に問うた作品であるそうで、
その通りケレン味溢れるトリックと、詩情ある余韻を残すプロットが炸裂する、島田荘司本格ミステリの粋が味わえる好篇であると思います。
で。
ある意味本筋以上に力が入ってる(ような気がする)のが、あの「津山三十人殺し」に関する考察と、描写。
横溝正史『八つ墓村』の下敷きとなり、松本清張『ミステリーの系譜』中の作品(「闇に駆ける猟銃」)でも描かれた、この本邦史上最大級の事件が、
『秋好英明事件』(島田荘司)を彷彿とさせる克明な筆致でもって語られます。
物語作家・島田荘司の真骨頂(多分)。
あと特攻隊とかも。
石岡君のお蔭で大長編になってしまったという声もありますが、ともあれその分(?)読み応えは約束された(筈の)逸品。
津山事件を知るテキスト
「津山三十人殺し」についてはフィクションも含めてこれまで多くの文献で語られて来ており、本作品の事件に対する切り口自体に真新しさは見られませんが、フィクションとノンフィクションを巧みに交錯させた構成と60年前の事件と現代の事件を結ぶギミックの面白さで一気に読ませます。下巻の約半分を使って語られる津山事件の迫真のノンフィクションパートは、島田氏本人も語っているように筑波昭氏の名著「津山三十人殺し 村の秀才青年はなぜ凶行に及んだか」の強い影響下にあります。事実関係はもちろん犯人・都井睦雄の台詞回しまでが同書から引用されていますので、事件に興味を持った方は是非こちらもご覧ください。
島田壮司のミステリーとしては、御手洗シリーズの奇想と吉敷シリーズの哀愁を融合させたような作品ですが、著者側からは津山事件とその時代を分析総括した一種の近代史論的な意味合いが込められているように思います。島田氏お得意の日本人論やメッセージ性は今回影を潜めているので、純粋に津山事件を知るテキストとして興味深く読めるでしょう。
創造力の行き詰まり
現実の犯罪に題を採った作品であり、御手洗(電報でだけ登場する)ではなく石岡が主人公を務めるという趣向がある。だが、独創性を売り物にして来た作者が、現実の事件に題を求めるという事は、自らの創造力の枯渇を意味しており、実際物語は退屈この上ない。これは、一般の作家が書けなくなった時、歴史物に逃げるのと似ている。
「龍臥亭」と言う宿屋を主な舞台に事件は起こり、元々石岡は悪霊払いという名目でここに来ているのだが、相変わらず事件の謎は偶然性に頼ったもので、呆れる他はない。主人公を石岡にしたのも、この程度の事件で御手洗を出すのはさすがに気が引けると思ったからではないか。
作者のデビュー当時の独創性とミステリに掛ける情熱を知っている者にとっては、寂しい作品である。
最後まで飽きません
横溝正史の「八つ墓村」のモデルとなった「津山三十人殺し」の事件を島田荘司が題材にしました。この事件、近年までは一日に殺した数というのでは、戦争やテロなどは別として30人というのは世界でも類をみなくギネスブックに載るという日本の恥とも言えた事件(最近、記録が塗り替えられたみたいだけど)。島田氏が独自(?)の解釈をします。この事件の因縁を絡めた新たな殺人事件が起こる話ですが、作者は結局は当時の事件を書きたかったみたいなだけの印象をうけます。島田荘司は近年、実際にあった事件などをノンフィクションプラス新解釈といった感じで「切り裂きジャック百年の孤独」では「切り裂きジャック事件」を「ロシア幽霊軍艦事件」では「ロシア皇女アナスタシア」を「アトポス」では「ルーマニアのエリザベートバートリー」を題材にしています。その内エドゲインとかもやるのか?まあネタはいくらでもあるな。ミステリー部分は相変わらずの強引、有り得ないモード炸裂で少しお粗末ですが、本人はノンフィクション部分に重点を置いているので、まあ面白いからいいかといった感じ。このノンフィクション部分は民族学好きは必見。他作でも小市民批判、日本人批判著しい島田氏ならでは。作家は年を取ってアイデアが枯渇してきたり、老練になってくると、歴史物やノンフィクション物、性に関する物に傾きがちだが、島田氏もそういう傾向がありますね。
御手洗シリーズの最高傑作
上巻577ページ、下巻ページ575ページと御手洗シリーズで最長編。上巻は高木彬光氏、下巻は神津恭介氏に捧げられている。
『水晶のピラミッド』・『アトポス』等で試みられた並列的にストーリーが進行し最後に帰結する小説手法はこの『龍臥亭事件』で完成をみたと思える。この後、島田氏は三浦和義事件のような実際にあった事件を取り上げていくが、その橋渡し的な作品が本作で、実際にあって横溝正史が「八つ墓村」で題材にしたことで有名な「三十人殺し」をその並列して起こる事件の根幹のファクターに配置している。
もうひとつ、この後の島田作品で重要な役割をはたす犬坊里美が登場する。御手洗が北欧に去った後の石岡君をハリー・ボッターのヒッポグリフさながらにあちこちへと連れていく(●^o^●)。それとともに本作は石岡君の成長が大きなテーマになっている。つまり、石岡君が事件を解決するのだ。御手洗は電報一通と激励の手紙一通の登場である。ここが面白い。
読んでいて島田氏が最も愛しているキャラクターは石岡君ではないのかな、と思った。里美のような素敵な少女と一緒に石岡君は本作で極めて頑張っている。そこが『君にもできるんだ、もう少しガンバレ。』と励ます御手洗は普通な普通な読者の僕たちをも励ましている気がしてくる。
僕は本作が現時点の御手洗シリーズの最高傑作だと思う。島田作品の魅力が全てクロスする素晴らしさ。上下巻を併せて豪華装丁で再出版したのも頷けます。必読です。
