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アイテム詳細

奇想、天を動かす (光文社文庫)
島田 荘司

発売:光文社
Amazon.co.jp ランキング:Book で168895位
価格:¥ 700(税込み)/1,500円以上国内配送料無料(一部大型商品は除く)!
発売日:1993-03 /通常24時間以内に発送

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カスタマーレビュー
おすすめ度:
史上最高のミステリー小説  (2008-01-02)
「歴史的意義」という要素を除き、『仕上がりの完成度』という意味で、古今東西書かれたミステリー小説の最高峰に位置するのが当作品であると思う。(「歴史的意義」というのは、その小説の登場でミステリーの流れが変わるような作品を言う)

 今では「ミステリー」と一括してくくられるが、本来は「本格探偵小説」「社会派ミステリー」という2つの流れがあり、その2つの流れを,最高の次元で統一したのがこの作品であるといえる。「怪奇性」「ロジック」「社会性」「時代」「人物」など、全ての要素が 信じられないくらいな高次元にバランスよく共存している。

本格ミステリとして非常に面白い。  (2006-11-27)
事件部分だけを取り出して「本格」として読めば非常に面白く間違いなく5つ星にしてました。
それを無理やり「社会派」に仕立て上げようとしたせいでやや冷めます。

実にもったいないが、しかし面白い作品。

不思議と違和感がないトリック  (2006-08-17)
偶然捕まえた老人の過去を探る吉敷刑事が、老人の過去に秘められた事件の真相を暴くというお話。事件には大トリックが使われている。作品中には、冤罪、差別の問題等が取り挙げられているが、あまりそれには拘らない方が良い。

本作で使われる、「赤い眼をした怪物」等の解明は「暗闇坂」以降の"こじつけ"小説を思わせるが、本作では不思議と違和感がない。老人の悲しみ溢れる過去の祈りとうまく融合しているせいであろう。また、真相究明に関係する鉄道の路線図。そう昔はあんな感じだったんですね。私の亡父が元国鉄の職員だったこともあり、懐かしく見ました。

あまり社会的問題に拘らず、トリックの偶然性も気にしなければ、大いに楽しめる作品。

奇想、日本を動かす、とまではいかないな  (2006-04-21)
島田荘司の吉敷刑事物の力作。偶然、無理矢理トリックはもう島田氏の持ち味なのでこれはまあいいではないか。島田氏が書きたかったテーマは冤罪や戦時中の犯罪、戦時下に置かれた人間の取る行動の醜さ。仕方ない事だがそういう人間の本質を書いてみようとした作品。冤罪事件や戦時中の朝鮮人に対して日本国がした仕打ちなどは、昔の事であり事実がどうであるかは、はっきりした解答が出ない種の物だが、ここでは戦時下などでの緊張した、平和な社会では想像も出来ない様な社会状況や人間感情が起こす様々な事。そういう物をいろいろな人に知ってもらおうとしている。別に島田氏の記述が現実と違うとかどうこうかはあまり問題ではない。場所こそ違え、世界中の様々な地域や歴史で同じ様な事が起こり今も起こっているかもしれないのだから。もう一つのテーマは主人公の上司に対する発言に全てが集約されている。吉敷は言う「勉強をしない、動こうとしない、追求しようとしないそんな奴に限って思い上がる他人を軽蔑しようとする。てめえの無能さを隠すためだ」。これは日本の社会に生きる、サラリーマン。少しでも向上心のある、そしてその通りに生きてきた大体40歳以上の中堅職以上の人には全員に突き刺さる言葉なのだが、これは言ってはいけないよ。島田荘司。日本という特異な社会システム、安定成長を続け、保つ為の資本主義システムでは人間はこうなってしまうのだ。こういう言葉を彼らに言っても認める訳がない、自分が信じて生きてきた人生を批判されているのだから。むしろ戦後の国家作りに問題があるのだが、平和に暮らせる日本がここにあるのだから、これも正しいシステムかもしれない。人間は弱い生き物である。意見を持たず盲人として社会に適応しようと一生懸命生きるか、フリーマンとして気楽に生きるか。どちらを選ぶ?でも後者は財産を持っているか、特殊な才能が無いと日本では生きて行けないけどね。

併存?  (2006-03-11)
メイントリックは素晴らしい(ちょっと首をかしげたくなるものもあるが)。
そして、描かれている2つの社会問題も深く考えさせられるものである。

しかし、両者が「融合」しているという評価が適切かどうか。
はっきりいって社会問題を組み込まなくとも小説として成り立つ。
もっといってしまえば、強引に結びつけたという印象の方が強い。
私には両者が「併存」しているという印象である。

ただ、私は島田氏以外のいわゆる「社会派ミステリー」は読まない(興味がない)ので、
「社会派ミステリー」とはこのようなものなのかも知れない。 
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