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アイテム詳細
続・詩歌の待ち伏せ
北村 薫
発売:文藝春秋
Amazon.co.jp ランキング:Book で214010位
価格:¥ 1,450(税込み)/1,500円以上国内配送料無料(一部大型商品は除く)!
発売日:2005-04 /通常3〜5週間以内に発送
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カスタマーレビュー
おすすめ度:
虚空に鳴る音
(2008-06-27)
◆二十、「我がやどの」大伴家持『夜の靴』
記憶は自分好みにねじ曲がっていくもの――。
その例として著者は、学生時代に読んだ、横光利一『夜の靴』)
について、自分のなかで、誤って認識していた話を挙げます。
著者は『夜の靴』)のなかに、
《人類が滅びた後も、本当の芸術は虚空に残る》
という意味の一節があって、以下の歌が引かれていたと思い込んでいました。
我がやどの いささ群竹 吹く風の 音のかそけき この夕かも
大伴家持の、広く知られた歌ですが、著者のイメージとしては
かつて地球のあった空間。何もないそこに、笹の
かすかな葉擦れの音がさやさやと鳴っている
というものでした。しかし、実際に『夜の靴』)で取り上げられていたのは、
柿本人麻呂の次の歌です。
淡海のみゆふなみちどりながなけば心もしぬにいにしへ思ほゆ
夢のごとく消え去った近江朝廷をしのぶ懐旧を表現したこの歌が、先に挙げた
《我がやどの》の歌に著者のなかで摩り替わって記憶されたのは丸谷才一『笹まくら』の
影響があるのですが、何より、横光利一が抱えていた、もはや人間を見ていないさみしさ、
夜の思いとでも呼ぶべきものに触発されたからでしょう。
作家生活のなかで、プロレタリア文学や軍部、敗戦による
価値観の逆転など、さまざまな重圧に苦しめられてきた横光。
千鳥の声も笹の葉音も、人の営みが果てた虚空に響く、
哀しい残響であることに変わりはないのです。
またしてもすてきな詩歌に出会えました
(2007-04-24)
このシリーズは、さまざまなすてきな詩歌、詩人に出会えますが、この本では、天野慶という歌人に出会えたのが最大の収穫でした。
泥臭い机と消えた椅子それは宣戦布告よく晴れた朝
いちめんにゆきふりつもる白墨のかかったシチューが今日の給食
「内申に響くからもうやめるよ」と戦いの日々突然終わる
逃げることばかりが上手く気がつけばドッジボールの最後のひとり
君たちが言わなくなれば死語となる戦隊ヒーロー正義を叫べ!
それから、木村信子という不思議な詩を書く詩人、アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフの「因果応報」という詩にも出会えました。
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について、自分のなかで、誤って認識していた話を挙げます。
著者は『夜の靴』)のなかに、
《人類が滅びた後も、本当の芸術は虚空に残る》
という意味の一節があって、以下の歌が引かれていたと思い込んでいました。
我がやどの いささ群竹 吹く風の 音のかそけき この夕かも
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かすかな葉擦れの音がさやさやと鳴っている
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淡海のみゆふなみちどりながなけば心もしぬにいにしへ思ほゆ
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哀しい残響であることに変わりはないのです。
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