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アイテム詳細

三つの棺 (ハヤカワ・ミステリ文庫 カ 2-3)
三田村 裕(翻訳)

発売:早川書房
Amazon.co.jp ランキング:Book で10420位
価格:¥ 714(税込み)/1,500円以上国内配送料無料(一部大型商品は除く)!
発売日:1979-07 /通常24時間以内に発送

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カスタマーレビュー
おすすめ度:
難解な文章を読み解く苦難に見合う、作者五指に入る傑作!  (2008-12-03)
本書は、2人の人間がドアを見張っている部屋の中で行われた密室殺人と、道路の真ん中で降り積もった雪に足跡を残さず、また前後の人間に見咎められずに至近距離で射殺するという開放空間での密室殺人に、さらに三つの墓標を描いた謎の絵画と墓から蘇り報復を示唆する謎の奇術師にと、カーお得意の不可能状況とオカルティズムに満ちた作品である。
前半(2つ目の殺人が知らされるまで)は苦痛とも言えるほど退屈なやり取りが長々続くが、その後は俄然面白くなり、最後の謎解きまで一気に読み通してしまった。謎解き部分の論理的整合性にも充分満足でき、『皇帝のかぎ煙草入れ』『帽子収集狂事件』『曲った蝶番』『火刑法廷』と並んでカーの作品中(『プレーグ・コートの殺人』『白い僧院の殺人』等、カーター・ディクスン名義の作品は別に措くとして)、五指に入る傑作と言えよう。

ところで本書(だけでなくカーの作品全体だが、とくに本書)には、翻訳についての批判が多い。確かに上手い訳とは言えないが、読み落としさえなければ、謎を読み解くのに必要な手がかりや伏線部分はキチンと記されているので、訳文に対する批判は的外れである。根本的にはカーの文章自体が難解で読みにくいことに問題があり、おそらく誰が訳してもそう大差はないと思う。
カーの作品が難解で読みにくいのは、謎を読み解くキーワードや伏線を目立たなくしようと余計な記述を目くらましに使っているためで、とくに本書のように謎が複雑であるがゆえに余計な記述が多い作品は、かなり気合いを入れないと途中で挫折しかねない。
しかし、その苦難を乗り越えてでも読みたくなるのが、カーの魅力ゆえと言えるのである。

カー初心者にはお薦めできない…  (2008-07-14)
自分は他にカキコされている諸先輩方の様な所謂ミステリの鬼ではないのですが、本作品の訳文(特に地の文)には確かに違和感を覚えます。一言で稚拙かと。 比較的最近のカーの新訳作品にはすんなりと入り込めますが。上記の諸先輩方は恐らく原書まで読んでいるのか…凄いですね。 自分は批評などとはおこまがしいので素直な感想をば。 つまらなくはなかったんですが、カーの過剰なサービス精神を差し引いても冗長な感じがしました。ストーリーテラーとしてのカーを堪能するのであれば、火刑法廷を筆頭に他にいくらでも素晴らしい作品があるような…密室に関しても説得力が薄く感じるのは件の訳文のせいか? でも密室の講義だけは楽しめました,以前流行ったマジシャンの種ばらしみたくて…故に星三つとさせていただきます。 結論として、自分が他人にカーを薦める際は,密室物からユダの窓や曲がった蝶番,物語としての火刑法廷や喉斬り隊長、初心者相手ならば迷わずプレーグコートの殺人等にしておきます。 しかし自分も、この三つの棺の完全新訳版が出たら、改めて読み直してみたいですね。

メタフィクション?  (2006-12-29)
カーは全て面白いが、ベストはやはりこれだろう。

フェル博士の密室講義があるのはこれだから。

まあ、クイーンにも言えるが、

日本語で読むと面白さが100%伝わらないのはしゃない。

時計のトリック(時間の錯誤)が納得出来ないのは、

カーが悪いんではなく、翻訳が悪いと思いなせぇ!(w

実は四つの棺になっていく過程が日本語でも十分ゾクゾク出来ます。

翻訳が酷すぎる  (2006-10-24)
カーの傑作としての評価は☆5つ。

しかし、翻訳があまりにもひどい。
中学生が直訳したような文章から、もはや意味不明な文章まで
作品の魅力を損なうようなトンデモ訳で翻訳権独占ときたもんだ。
カーと全ての日本人を馬鹿にしてるとしか思えないが、
☆1つにするのはカーに失礼だし☆3つで。

カーの密室物の白眉  (2006-08-26)
本作はカーの密室物の代表作。ミステリ作家・編集者として著名なE.D.ホックが投票で選んだ密室ミステリの人気投票でダントツの1位に入った。その名に恥じない名作である。

ペンシルヴァニアの監獄の三つの墓の話から始まる濃厚なオカルティズム。その墓には3人兄弟が埋葬されていた。その墓から"蘇った"長男が自宅で密室状態で殺される不可能犯罪性。長男は「弟が撃つとは思わなかった...」と虫の息で言う。しかし、同じく"蘇った"次男も、袋小路で雪の上で足跡を残さない透明人間のように姿の見えない相手に銃殺されてしまうのだ。撃った人物は「2発目はおまえにだ」と叫ぶ。犯人は残された3男なのか ?

これだけ、"死者の蘇り"を中心とするオカルティズムと不可能犯罪性とを前面に出しながら、合理的解決に導く作者の手腕は見事と言うしかない。上述のセリフや登場人物達の様々な言動がパズルをピタリと嵌めるように収斂する様は感嘆の他はない。

本作品のもう一つの読みどころはフェル博士(=カー)が披露する有名な"密室談義"である。カーの密室論が聞けるのも面白いし、特にルルー、ヴァン・ダイン、クィーンの作品に対する実名を挙げての批評が興味深い。また、フェル博士の口を借りて「我々は推理小説の中にいる人物であり、そうでないふりをして読者たちをバカにするわけにはいかない」と言わせているのは、カーのミステリ観を知る上で大変貴重だ。

オカルティズムと不可能犯罪性とそれに対する合理的解決。それに加えて"密室談義"。ミステリ・ファン必読の大傑作である。
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