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アイテム詳細
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古処 誠二
発売:新潮社
Amazon.co.jp ランキング:Book で403659位
価格:¥ 1,470(税込み)/1,500円以上国内配送料無料(一部大型商品は除く)!
発売日:2005-12-20 /通常3〜5週間以内に発送
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カスタマーレビュー
おすすめ度:
極限状態で人々が信じたものとは?
(2006-07-14)
逃亡兵となった19歳の真市は、置き去りにされた幼なじみのチヨの赤ん坊を助けるために、チヨと共に、命がけで故郷の村へ向けて北上します。また、その途中、片足片手となった川辺少尉と出会い、お互い蔑みながらも助け合い、戦場を抜けていきます。
家族に恥をかかせないために軍人として散ることが正しいと信じる者。
生きているはずのない赤ん坊の生存をひたすら信じようとする者。
憂いを感じていながらも、自分の誇りを最期まで保とうとする者。
死と隣り合わせの状況で、それぞれの人物は何を信じ、何を心の奥底に秘めていたのか?主人公が生涯「遮断」し続けたものとは?
ところどころに挿入されているある人物からの手紙文によって、ある時は希望を与えられ、またある時は疑問を感じながら読み進めていきました。
人間のいろんな葛藤を描いた、深い小説だと思いました。
研ぎ澄まされた筆致で沖縄戦を描くこの著者の力量に圧倒された
(2006-03-12)
敗戦の色濃い昭和20年の沖縄。米軍の上陸が始まったころ、19歳の防衛隊員・佐敷真市は逃亡兵となっていた。幼馴染の妻であるチヨが乳呑児の娘を探して歩くのに同行するが、その途上、隻腕片足の少尉に出会い、半ば強要されるようにして彼を背負いながら北上を続けることになる…。
同じ著者の戦争小説「七月七日」(集英社)に圧倒され、彼の最新作である本書を大いに期待して手にしました。その期待は十分満たされました。
地上戦の現場となった沖縄の極限状況下で、真市と負傷少尉との奇妙な同行二人が物語の軸になっています。真市は生きるために戦場を敗走兵として駆け、一方少尉はそんな彼を頼らざるをえないほど激しい傷を負いながらも、真市のことを国のために殉じる覚悟のない男として蔑み続けます。
少尉「ここまで来られたのは、お前のおかげではある。だが感謝はしない。仲間を裏切り、米軍の情けに甘えるお前の無節操を、俺は絶対に許さない」
真市「俺も少尉殿のおかげでここまで来られたと思っています。けど感謝はしません。案内の名目で百姓を盾にしてきた軍人など、死んでも礼は言いません」
一瞬の後にはいずれも命を落としかねないギリギリの状況にありながら、二人の相容れないやり取りは神学論争のような様相を呈していきます。あの時代においては、それぞれの言い分のどちらにも理があるようです。どちらか一方に強く肩入れすることのできないもどかしさ、戦争の割り切れなさを深く味わいながら頁を繰りました。
しかしこの小説は実はその最後の最後の箇所で、今の沖縄の置かれた状況が実はあの時代から少しも変わっていないことを、年老いた今の真市の振り絞るかのような声に託して訴えています。その最後の四行をここで細かに書くことは控えますが、あの戦争の痛ましさを過去のこととして振り返るだけでは済まされない沖縄の今をそこに見た思いがして、嘆息と共に本書を閉じました。
極限下で人が「信じる」もの
(2005-12-24)
敗色濃厚となった昭和20年5月の沖縄。逃亡兵・真市は、同じ部落の女性チヨと共に、防空壕に置き去りにされたチヨの赤ん坊を救うため戦火の中を北上する。
沖縄人として徴用されて「皇軍」の行為に荷担し、更には仲間を見捨ててそこから逃亡した真市は、その複雑に絡み合った罪の意識にさいなまれ続けている。絶望的な北上の中で、その意識がどのように揺れ動いていくのか。生きているはずのない我が子の生存を頑なに信じるチヨや、北上途中で出会った片腕片足の軍人・川辺らの姿も対照的で、同じ場所にいる3人ながら、それぞれの見ているもの・信じるものは余りに隔たっている。
極限状況におかれた人間の心理を、緊迫感ある筆致で描き出していく作者の手腕は相変わらず見事。極限下で、人は何を「信じる」ことができるのか? そんな問いに、ずしりと重みを感じる内容だった。戦後の「現在」から生存者の「手紙」を用いて過去を照射していく手法は『分岐点』と同様。正直、読む前は「また沖縄戦が舞台か」などと思っていたのだが、似た題材を扱っても質を落とさないアベレージの高さは流石と言うべきだろう。
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逃亡兵となった19歳の真市は、置き去りにされた幼なじみのチヨの赤ん坊を助けるために、チヨと共に、命がけで故郷の村へ向けて北上します。また、その途中、片足片手となった川辺少尉と出会い、お互い蔑みながらも助け合い、戦場を抜けていきます。
家族に恥をかかせないために軍人として散ることが正しいと信じる者。
生きているはずのない赤ん坊の生存をひたすら信じようとする者。
憂いを感じていながらも、自分の誇りを最期まで保とうとする者。
死と隣り合わせの状況で、それぞれの人物は何を信じ、何を心の奥底に秘めていたのか?主人公が生涯「遮断」し続けたものとは?
ところどころに挿入されているある人物からの手紙文によって、ある時は希望を与えられ、またある時は疑問を感じながら読み進めていきました。
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研ぎ澄まされた筆致で沖縄戦を描くこの著者の力量に圧倒された
敗戦の色濃い昭和20年の沖縄。米軍の上陸が始まったころ、19歳の防衛隊員・佐敷真市は逃亡兵となっていた。幼馴染の妻であるチヨが乳呑児の娘を探して歩くのに同行するが、その途上、隻腕片足の少尉に出会い、半ば強要されるようにして彼を背負いながら北上を続けることになる…。
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真市「俺も少尉殿のおかげでここまで来られたと思っています。けど感謝はしません。案内の名目で百姓を盾にしてきた軍人など、死んでも礼は言いません」
一瞬の後にはいずれも命を落としかねないギリギリの状況にありながら、二人の相容れないやり取りは神学論争のような様相を呈していきます。あの時代においては、それぞれの言い分のどちらにも理があるようです。どちらか一方に強く肩入れすることのできないもどかしさ、戦争の割り切れなさを深く味わいながら頁を繰りました。
しかしこの小説は実はその最後の最後の箇所で、今の沖縄の置かれた状況が実はあの時代から少しも変わっていないことを、年老いた今の真市の振り絞るかのような声に託して訴えています。その最後の四行をここで細かに書くことは控えますが、あの戦争の痛ましさを過去のこととして振り返るだけでは済まされない沖縄の今をそこに見た思いがして、嘆息と共に本書を閉じました。
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