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アイテム詳細
リアルワールド (集英社文庫(日本))
桐野 夏生
発売:集英社
Amazon.co.jp ランキング:Book で146602位
価格:¥ 500(税込み)/1,500円以上国内配送料無料(一部大型商品は除く)!
発売日:2006-02-17 /通常24時間以内に発送
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カスタマーレビュー
おすすめ度:
全然リアルっぽくないものが
(2008-07-13)
あいかわらず、桐野さんは怖い小説を書くなぁ。
ストーリーは、題名とは裏腹に、全然リアルっぽくなく、まさに
オハナシとして進みます。
んなわけないじゃん、みたいな。
でも、現役女子高生の意見を聞きたいな。本当はこんな感じで、
それをリアルに思えないのは私らオヂさんだからなんではないか
しら。と、思い出すと、まさにこれは現役女子高生たちのとって
もリアルな会話、リアルな心情、そしてリアルな生活に思えてき
た。
ストリーは、彼女たちの周囲に起こったリアルな事件を、彼女達
は全然リアルに感じず、取り扱わない。
まるで、ごくそこで起こったことなのに、テレビのなかのドラマ
か、遠い外国で起こっている関係ないようなことのようにして、
遊んでいるような感覚でいるうちに、実はもちろん本当の事件で
あり、生身の人間が関係していることだもん、事件は事件として
発展していってしまう。
ストリーの運び方の妙、高校生とはいえ一人一人が当たり前なん
だけど、それぞれの人生をしょっていることの露呈。
とっても巧みで、面白い、そして怖い小説でした。
なお、精神科医で評論家の斉藤環の巻末解説は、秀逸です。
それぞれの想いが交錯する傑作
(2008-05-17)
殺人事件をきっかけに4人の女子高生グループの
人間関係が変容していく様を、
それぞれの視点で描いた実に興味深い作品。
自分と相手の微妙な距離感。
自分だけがという勝手な優越感や劣等感。
そんな中で友達関係を築きながら、
この事件によってその友人関係および自分とはどんな人間なのか
くっきりとわかってきて、
それぞれの結末を迎えることになる。
ほんとおもしろい作品。
自己と他者を知るのによい作品です。
救いがたい読後感は、やはり書き手の掌中にはまったと思うべきか・・。
(2008-04-09)
来年は五十歳にもなろうという小生が読むにはいささか抵抗あり・・かとおもったけど、そんな想いは杞憂であった。
あてもなく、不安定な精神をかかえながら放浪する青春(死語www)ものという視点からとらえると「ライ麦畑で捕まえて」や「赤頭巾ちゃん気をつけて」のグロテスクな継承と思えなくもない。
しかし大昔のサリンジャーが、イノセントにこだわる甘ちゃんな男子目線であるのにくらべて、現代のジョシ目線は身も蓋もなくあられもない姿でココロの中まで刺さってくる。
自分だけは人より特別だ、という季節
(2007-05-12)
小説は四人の少女と、一人の少年の独白形式で話が進む。少年は母親を殺して逃走した。少女たちは興味半分に少年の逃走を助けてしまう。ケータイで結ばれる彼女たち。自分だけは、「特別な自分」を見事に「友達」の少女たちに隠しとおせると思っている彼女たち。その一方で、「本当の自分」を分かってくれる「誰か」を探している。桐野作品だから当然のように物語は悲劇に向って進んでいく。
いまどきの若者の覗き見はそれなりにスリルがあって楽しい。でも「柔らかな頬」(上)(下)「OUT」や「玉蘭」のように、私の心は引き裂かれない。若者たちの悩みはすでに私からはあまりにも遠いところにある。けれども、自分だけは人より特別だ、自分のことだけを誰か知っておいて欲しい、という欲望だけは今も健在だ。この高校生たちはバカだ、と笑いきれないのもそこら辺りにある。
高校生を持つ親なら、この五人の独白小説を読んで背筋が寒くなるだろうと思う。
ABCDE
(2007-03-02)
母親殺しの少年に興味を抱いたばっかりに、絶望へのスパイラルをかけおちる事となってしまった4人の女子高校生の物語。章が変わるたびに描写する主体(目線)を移しているため、友人同士の認識のズレが表れている点が面白かった。
また、何気ない各々の選択が次の展開を呼び、ラストの悲劇に連鎖していく過程が興味深い。ちょっと現実で起きたら怖いけど、このような人物達が現実にいるとは考えにくく、あくまで組み立てられた虚構内でのやり取り・駆け引きを味わう物語である。
おすすめ度:
全然リアルっぽくないものが
あいかわらず、桐野さんは怖い小説を書くなぁ。
ストーリーは、題名とは裏腹に、全然リアルっぽくなく、まさに
オハナシとして進みます。
んなわけないじゃん、みたいな。
でも、現役女子高生の意見を聞きたいな。本当はこんな感じで、
それをリアルに思えないのは私らオヂさんだからなんではないか
しら。と、思い出すと、まさにこれは現役女子高生たちのとって
もリアルな会話、リアルな心情、そしてリアルな生活に思えてき
た。
ストリーは、彼女たちの周囲に起こったリアルな事件を、彼女達
は全然リアルに感じず、取り扱わない。
まるで、ごくそこで起こったことなのに、テレビのなかのドラマ
か、遠い外国で起こっている関係ないようなことのようにして、
遊んでいるような感覚でいるうちに、実はもちろん本当の事件で
あり、生身の人間が関係していることだもん、事件は事件として
発展していってしまう。
ストリーの運び方の妙、高校生とはいえ一人一人が当たり前なん
だけど、それぞれの人生をしょっていることの露呈。
とっても巧みで、面白い、そして怖い小説でした。
なお、精神科医で評論家の斉藤環の巻末解説は、秀逸です。
それぞれの想いが交錯する傑作
殺人事件をきっかけに4人の女子高生グループの
人間関係が変容していく様を、
それぞれの視点で描いた実に興味深い作品。
自分と相手の微妙な距離感。
自分だけがという勝手な優越感や劣等感。
そんな中で友達関係を築きながら、
この事件によってその友人関係および自分とはどんな人間なのか
くっきりとわかってきて、
それぞれの結末を迎えることになる。
ほんとおもしろい作品。
自己と他者を知るのによい作品です。
救いがたい読後感は、やはり書き手の掌中にはまったと思うべきか・・。
来年は五十歳にもなろうという小生が読むにはいささか抵抗あり・・かとおもったけど、そんな想いは杞憂であった。
あてもなく、不安定な精神をかかえながら放浪する青春(死語www)ものという視点からとらえると「ライ麦畑で捕まえて」や「赤頭巾ちゃん気をつけて」のグロテスクな継承と思えなくもない。
しかし大昔のサリンジャーが、イノセントにこだわる甘ちゃんな男子目線であるのにくらべて、現代のジョシ目線は身も蓋もなくあられもない姿でココロの中まで刺さってくる。
自分だけは人より特別だ、という季節
小説は四人の少女と、一人の少年の独白形式で話が進む。少年は母親を殺して逃走した。少女たちは興味半分に少年の逃走を助けてしまう。ケータイで結ばれる彼女たち。自分だけは、「特別な自分」を見事に「友達」の少女たちに隠しとおせると思っている彼女たち。その一方で、「本当の自分」を分かってくれる「誰か」を探している。桐野作品だから当然のように物語は悲劇に向って進んでいく。
いまどきの若者の覗き見はそれなりにスリルがあって楽しい。でも「柔らかな頬」(上)(下)「OUT」や「玉蘭」のように、私の心は引き裂かれない。若者たちの悩みはすでに私からはあまりにも遠いところにある。けれども、自分だけは人より特別だ、自分のことだけを誰か知っておいて欲しい、という欲望だけは今も健在だ。この高校生たちはバカだ、と笑いきれないのもそこら辺りにある。
高校生を持つ親なら、この五人の独白小説を読んで背筋が寒くなるだろうと思う。
ABCDE
母親殺しの少年に興味を抱いたばっかりに、絶望へのスパイラルをかけおちる事となってしまった4人の女子高校生の物語。章が変わるたびに描写する主体(目線)を移しているため、友人同士の認識のズレが表れている点が面白かった。
また、何気ない各々の選択が次の展開を呼び、ラストの悲劇に連鎖していく過程が興味深い。ちょっと現実で起きたら怖いけど、このような人物達が現実にいるとは考えにくく、あくまで組み立てられた虚構内でのやり取り・駆け引きを味わう物語である。
