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アイテム詳細
中国10億人の日本映画熱愛史?高倉健、山口百恵からキムタク、アニメまで
劉 文兵
発売:集英社
Amazon.co.jp ランキング:Book で126238位
価格:¥ 735(税込み)/1,500円以上国内配送料無料(一部大型商品は除く)!
発売日:2006-08-12 /通常24時間以内に発送
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カスタマーレビュー
おすすめ度:
日本の映像文化の影響を斬新な視点で解読した論争の書
(2006-08-24)
この本は、日本の映像文化一般が中国の観客のみならず製作者にもあたえてきた影響を分析しています。が、白眉はやはり著者の専門である、第4章までの映画の分析でしょう。映画内的(表象装置のもたらす視聴覚効果)・外的(社会的コンテクスト)な視点に基づくヒットの原因を列挙したうえで、さらに映画の内と外が観客において交錯し絡み合う結節点をその筋立てに丹念にもとめているからです。
また新書の体裁ながら、文革直後の第五世代監督以前の中国映画についての記述等、従来の中国映画研究において殆ど無視されてきた盲点も指摘されています。だから研究書としての価値も大きいと思います。
他方で、対象に対する緻密な記述の行間からは、急激な時代の変化をそのなかで生きたものがおそらく抱いている、あの時代にたいする強烈な愛惜の念が同時に感じられます。その意味でこの本はロゴスとパトスのバランスがとれた稀有の好著だといえます。
最後にこの本は、その存在そのものを通じて現在の政治的な状況に対する介入の意思を秘めているようにも見えます。それは結語を読めばあきらかです。この数年、ナショナリスティックな世論が日本社会を覆い、結果、中国に対する偏見が瀰漫しているように見受けられます。であればとくに、中国研究や日中関係の基礎資料を求めている方のみならず、日本と中国の相互理解を促進しうる仕事(たとえばマスコミ関係)の方々に対して、ぼくは本書を強くお勧めしたいところです。
もう一つの「中国/日本映画史」
(2006-08-16)
本書のような「中国における日本映画/ドラマ受容史」という視点は、これまで、「中国映画史」からも、「日本映画史」からも見逃されてきた。日本でそれほど有名というわけではない『君よ憤怒の河を渉れ』が、なぜ中国で「国民的人気映画」となったのか。そのあたりの事情がいろいろ書かれてあり、大変勉強になった。
ただ、「なぜ、“この映画”が“この時期”に流行ったのか」に関する分析は、やや甘い、とも思われる。この手の分析はどうしても後付けにならざるを得ず、「時代がこのような主人公像を求めていたから」的に、結局何も言っていないのと同じになりがちである。著者にとっても、このあたりの分析はこれから、といったところだろうか。
おすすめ度:
日本の映像文化の影響を斬新な視点で解読した論争の書
この本は、日本の映像文化一般が中国の観客のみならず製作者にもあたえてきた影響を分析しています。が、白眉はやはり著者の専門である、第4章までの映画の分析でしょう。映画内的(表象装置のもたらす視聴覚効果)・外的(社会的コンテクスト)な視点に基づくヒットの原因を列挙したうえで、さらに映画の内と外が観客において交錯し絡み合う結節点をその筋立てに丹念にもとめているからです。
また新書の体裁ながら、文革直後の第五世代監督以前の中国映画についての記述等、従来の中国映画研究において殆ど無視されてきた盲点も指摘されています。だから研究書としての価値も大きいと思います。
他方で、対象に対する緻密な記述の行間からは、急激な時代の変化をそのなかで生きたものがおそらく抱いている、あの時代にたいする強烈な愛惜の念が同時に感じられます。その意味でこの本はロゴスとパトスのバランスがとれた稀有の好著だといえます。
最後にこの本は、その存在そのものを通じて現在の政治的な状況に対する介入の意思を秘めているようにも見えます。それは結語を読めばあきらかです。この数年、ナショナリスティックな世論が日本社会を覆い、結果、中国に対する偏見が瀰漫しているように見受けられます。であればとくに、中国研究や日中関係の基礎資料を求めている方のみならず、日本と中国の相互理解を促進しうる仕事(たとえばマスコミ関係)の方々に対して、ぼくは本書を強くお勧めしたいところです。
もう一つの「中国/日本映画史」
本書のような「中国における日本映画/ドラマ受容史」という視点は、これまで、「中国映画史」からも、「日本映画史」からも見逃されてきた。日本でそれほど有名というわけではない『君よ憤怒の河を渉れ』が、なぜ中国で「国民的人気映画」となったのか。そのあたりの事情がいろいろ書かれてあり、大変勉強になった。
ただ、「なぜ、“この映画”が“この時期”に流行ったのか」に関する分析は、やや甘い、とも思われる。この手の分析はどうしても後付けにならざるを得ず、「時代がこのような主人公像を求めていたから」的に、結局何も言っていないのと同じになりがちである。著者にとっても、このあたりの分析はこれから、といったところだろうか。
