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アイテム詳細

きみとぼくの壊れた世界 (講談社ノベルス)
西尾 維新

発売:講談社
Amazon.co.jp ランキング:Book で16254位
価格:¥ 924(税込み)/1,500円以上国内配送料無料(一部大型商品は除く)!
発売日:2003-11 /通常24時間以内に発送

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カスタマーレビュー
おすすめ度:
初期の異色作  (2007-10-16)
『世界シリーズ』の1作目,03年11月刊行の作品です.

『本格ミステリ』と銘打たれ,確かに事件は起きるのですが,
それらは,あくまでも物語のためのきっかけに過ぎない印象で,
語られる謎解きやトリックにしても,目だつほどではありません.

実際のところ,事件の解決より,日常の物語に重きが置かれており,
歪んだ愛情や,理解しづらい人間関係,達観したかのようセリフなど,
特に最後は,ハッピエンドっぽくはあるものの,複雑な思いが残ります.

また,異常なまでの言葉の繰り返し,アクの強い長いセリフと,
最近の作品では少し抑え気味な,著者の『得意技』が何度もあり,
ミステリ小説とは,といったことを登場人物に語らせるところでは,
著者の考えが強く出ているようで,異色の1冊という印象を受けます.

ほかでは,イラストの挿入が変わっていて,章の冒頭にまとめて,
マンガのように,コマ割りされて描かれているのが印象に残ります.
大きなネタばれではありませんが,これから読む場面ばかりですので,
そのあたり,気になるのであれば,意識しておいたほうがよさそうです.

07年10月に刊行されたハードカバー(講談社BOXピース)版との違いは,
加筆修正,イラストの有無(あちらにはなし),あとがきとのことです.

それなり  (2007-06-09)
どんどん予想外の方向へ進む物語、特徴の在りすぎた登場人物、
作者の自虐とエクスキューズを聞いているかのような地の文は、
「世界に取り残されている」もしくは「世界から外れている」というのを読者に擬似的に体感させるには良かったかもしれない。

しかし地力が足りていない。主人公たちが口にする哲学のような言葉たちは、
いかにも高校生然としていてリアルではあるのかもしれないが、
「サイコ」という意味ではなく「子供臭い」痛々しさが目立ち、印象をとてつもなく軽くしている。
この辺り、西尾氏のどの作品にも言えることで、それが読者の年齢層を下げているのだろうが。
そこで語らせることに文字稼ぎ以外の意味はあるのか、といったものも少なくない。
推理部分は本題ではないのだろうからあまり語る意味も無いのだろうけれど、
ブルマの彼女があのような極端な行動に至った原因であるところの「謎」が、
「読者としての自分が当然の事として気付いていた事象」だったと分かった時、
これはあまりにも安易だと思ってしまった。
世間から離れているからという印象を強めるためと思わなくも無いが、それならばもう少し分かりにくい、
お得意の持って回ったような遠まわしな薀蓄を奏でられる仕掛けを用意して欲しかったところ。

異常を自覚して異常と化すといった終わり方は好きだった。

書かんとしたテーマは分かる。が、書ききれていない。凡作。

なかなかディープな作品  (2007-04-21)
大筋として導入〜事件〜解決と、推理物の構成になってはいるものの、それは実はカモフラージュで、実際には主人公・櫃内様刻と各ヒロインとのインモラルな関係を綴った作品だったんじゃないでしょうか。この場合、猥褻な意味ではなく、不道徳なって方が合ってます。

主人公のモノローグで構成されていますが、様刻の性格が結構重く、それに輪をかけて病院坂の語りがわかりにくくて、読みにくいことこの上ありません(笑)
「推理小説」としてはあまり面白くありませんでした。でも、推理小説ではないと考えれば、結構面白かったんですよ。これは説明するのが非常に難しい。読んでいただくしかないかも。
ただ、上でもちょっと触れたように、インモラルな分部が結構ありますので、堅い人にはオススメできません。まあ、そういう人がはたして西尾維新作品を読むのか?という疑問はありますが。

事件としては一応の解決をみる訳ですが、それ以外の部分って実は何も解決の方向へは進んでないような。それらについてはおいおい様刻が解決していくということなんでしょう。
面白かったんですが、ちょっと不完全燃焼ぎみかも。
ま、あれ以降を語られても野暮ってもんなのかもしれないので、この作品はやっぱりここまで。なんでしょうね。


なかなか  (2007-01-29)
話は、近親相姦寸前にブラコンの妹と売春疑惑がある保健室引きこもりの天才少女(主人公の友人)と主人公が織り成すミステリー物。
ミステリーなので学校で殺人事件があり、それに伴って上記の危ういながらも均衡を保ってきた関係が変化していく。

その変化の過程で最も焦点とされているのが個々の世界観の変化。ゆえにきみとぼくの壊れた世界。

個人的にはいい本だと思う。初期設定が極端にアンバランスなのに対して最後は至極普通な(あるいはまとまった)形で終えるので
『うん?』と思いもするが筆者は戯言シリーズからこのスタンスのようだ。

ミステリーというより殺人事件に伴う周囲の人間の心情、世界観の変化の叙情詩というテイストが強い。生粋のミステリー好きは
殺人事件の真相のほうは色々曖昧なまま終わる点が多いので不満が残るかもしれないが、こういうテイストのミステリーもアリなのでは?

読んでみて損はない作品だと思う

青春時代の精神の不均衡  (2007-01-03)
兄妹相姦寸前の高校生の主人公。保健室引きこもりの変人で売春の噂も立つ天才的頭脳の持ち主の女生徒病院坂(名前は横溝氏の作品から ?)。そして彼らを取り巻く友人達。彼らは綱渡りをする様な危うさで世界を築いている。

そんな中、学園内で密室殺人事件が起こる。誰が犯人であっても彼らの知人だ。彼らの閉じられた世界が崩壊しようとして行く...。事件そのものも良く考えられており、犯行手段の選択も意外性がある。兄は戯言使いの影が強く、妹のキャラは行き過ぎだと思うが、病院坂のキャラは魅力がある。しかし、物語を覆うのは読む方が行き詰る程の登場人物達の精神の危うさだ。ちょっと圧力を掛ければ壊れてしまうガラス細工のような。青春の一時期の精神の不均衡を学園内の密室殺人と言う別の極限状態を通して描く、青春ミステリの佳作。
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